竹炭との出会い
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「いらっしゃいませ!!」 竹鶏ファームへ行くと、 従業員の皆さんが笑顔一杯で迎えてくれます。 竹鶏ファームは創業42年、 現在は三代目の志村浩幸社長が従業員8名と3万羽の鶏と元気いっぱい仕事に取り組んでいます。 竹鶏ファームではこの鶏たちを 「私たちの彼女」 と呼んで大切に育てています。 その彼女たちは毎日2万3千個近くの卵を産んでくれ、 その卵は、 通信販売と直販販売を通じてお客様に届けられています。
志村さんが長年思ってきたことは、 「なぜ自分で作った卵に値段をつけられないのか?いつか自分たちの作ったものに自分たちで値段をつけたい」 ということだったそうです。 自分たちで作ったものを自分たちで売る喜び、 感動、 そしてそれをどのようにして伝えるかが課題となりました。
竹鶏ファームは国道4号線沿いにあります。 緑に恵まれた蔵王の土地と環境の中で、 鶏は元気一杯育っています。 ところで志村さんには以前から1つの悩みがありました。 それは畜産独特の 「ニオイ」 です。 養鶏場の回りには住宅も並んでおり、 このニオイについて気になってはいましたが、 近所の人たちから何も言われなかったため、 志村さんは近所の人たちの思いを知ることはありませんでした。
ある日、 炭には脱臭効果があるという話を聞き、 蔵王の農場の山にある竹を竹炭にしてニオイを取ることができないかと考え、 実験してみることにしました。 その結果、 気になっていたニオイが驚くように取れたのです。 それから数日して、 近所の人から 「畜産のニオイが取れて、 夏になっても車の窓を開けて走れるようになったよ」 と言われた志村さんは、 改めてこのニオイの対策に取り組むことへの決意を固めました。 竹炭の用途を調べてみると、 炭にはさまざまな効果がある事を知りました。 その効果とは、 ニオイを取る作用。 水の中に入れると浄化する作用。 そして炭を炊飯の時に入れて炊くと、 ご飯がふっくら美味しく炊きあがる作用などさまざまです。 これが竹鶏ファームで炭を使うきっかけにつながりました。
さらにうれしいことがありました。 ある日、 卵を買いにきたお客さんから 「卵の味が変わったよ」 と言われたのです。 最初は信じられませんでしたが1人、 2人、 3人と 「味が違う」 と言っていただいたことをきっかけに、 詳しく調べてみることにしました。 そこで愛知大学の教授に依頼して、 調べてもらった結果、 DHAの吸収を高めるインスリンに似た物質が発見されました。 ニオイを取ろうとした竹の炭をエサに混ぜて使用したことが、 結果として健康な卵を作り出すことになったのです。
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